本年度は、データの蓄積および検証用のシステム構築を主たる目標とし、以下のように実施した。 (1)処理能力に優れたノートパソコンおよびデスクトップパソコンを活用し。認識率の向上のため、1年を通して、申請者が担当する講義を中心に言語モデルおよび音声モデルの強化を行い、認識率の向上のためのノウハウの蓄積と課題整理を行った。 また、謝金を活用し、認識率および作業効率向上のためのシミュレーションを言った。 (2)音声字幕付マルチメディア教材をWEB配信するためのサポートシステムの構築を行った。授業からWEB配信までの期間を一週間以内に収めることを目標とし、編集作業およびネットワーク配信までのアップロード作業のサポートシステムを確立した。具体的には、10人程度の学生支援者が同時に作業するための、簡便なイントラネットワークシステムおよび、不特定多数の編集者と、特定の編集責任者の棲み分けによる授業→編集→チェック→アップロードというワークフローの普及モデルを起案し実施した。特定の編集責任者には、当該分野(授業内容に関して)の専門的知識を持つ学生を活用することにより、編集作業そのものの教育効果、学習効果を担保することができることを明らかにした。 (3)学生支援者85人の作業過程のモニタリングを行い、認識率、授業特性、編集負担の相関を調査し、作業負担(時間、人数、費用)の達成目標に応じた課題と分析を行った。 (4)アンケート調査を行い音声字幕付教材の配信による教育効果およおび情報保障のニーズの評価・分析を行い、科目特性と教育効果および利用者のニーズの相関を明らかにした。 ここで構築したシステムおよびデータを継続活用し、最終年度となる19年度は、認識率、編集負担、情報保障の質および教育効果向上のための詳細な分析を行い、音声認識技術活用のための普及モデルの確立およびデータベースの構築を行いたい。
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