研究概要 |
本研究の目的は, フォークソノミを知識共有と探求学習により適応させることである. そこで, フォークソノミに知識を断片化させない仕組みを実現するため, これまでのタグに依存したフォークソノミを拡張し, 関連する項目間にリンク関係を持たせた新しいフォークソノミを提案した. 平成20年度は, 前年度から開発を進めていたフォークソノミの知識共有と探求学習への活用事例となるソーシャル年表システムに対する評価を試みた. ソーシャル年表システムは, 歴史の流れをつかむための学習年表を学習者が容易に作成できるものである. 学習者は, 1つの事象の詳細な解説を書く必要はなく, 事象に関する記述のあるウェブページを関連付ければよい. このとき, 複数の学習者が同じページを各学習年表の事象と関連付けることで, 年表間につながりが得られる. 我々は, 事象へのウェブページの関連付けを容易にするために, 年表作成システムとソーシャルブックマークシステムとが連動するインタフェースを構築し, これをソーシャル年表システムとした. 18年度に試作したリンクによるフォークソノミを実現したソーシャルブックマークシステムでは, 学習者によるブックマークのリンク付けが積極的に行われなかったが, 年表システムとの連携により, ブックマークを利用した年表作成という目的が明確化されたことで解決できた. また, ブックマーク間の関連付けが間接的であってもリンクによるフォークソノミとして活用できることを確認できた.
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