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2007 年度 実績報告書

学習障害児の視覚記憶の評価と促進プログラム

研究課題

研究課題/領域番号 18700654
研究機関鹿児島大学

研究代表者

雲井 未歓  鹿児島大学, 教育学部, 准教授 (70381150)

キーワードワーキングメモリ / 音韻ループ / カウンティング / サビタイジング / 反応時間 / 構音抑制 / 読み書き障害 / 漢字書字
研究概要

1.ワーキングメモリを考慮した教科学習支援教材の開発
国語と算数について,ワーキングメモリを考慮した教材開発と研究を行った。国語に関しては,漢字の形の弁別,構成,読み,書きのそれぞれについて,マッチング課題を中心に課題を整備し,教材のラインアップに関して当初計画をほぼ達成した。効果検証の基礎的研究として,各課題に要するワーキングメモリの性質と対象児の認知特性,および誤書字の発生メカニズムとの間の関連を,事例に基づいて明らかにした。漢字の形態に関する情報抽出過程について明らかにし,論文発表した。
算数に関しては,健常成人を対象として,事物の個数判断の方略のひとつであるサビタイジングには,ワーキングメモリの音韻ループの関与が小さいことを明らかにした。その上で,知的障害児を対象に,小さな数をサビタイジングに基づいて2種類同時にマッチングすることが,それらの和に相当する1種の数のマッチングと比べて容易なことを明らかにした。これにより,大きな数の指導における,数の合成・分解操作の導入方法を検討可能となった。
2.生理的指標のモニタリングによる学習プロセスの評価に関する検討
課題遂行時の心拍反応をパルスオキシメータを用いて測定することにより,学習効果検証法の基礎的検討を行った。具体的には,脈波と心電図との同時計測に行い,脈波伝播時間が心拍反応波形に及ぼす影響を調査した。対象は健常成人とし,安静時とクレペリン施行時の持続的心拍変動,および2桁の足し算問題を用いた期待反応パラダイムを検討した。その結果,脈波と心電図とで極めて一致した結果を得るとともに,課題に伴う注意状態の変動を的確に検出できた。脈波測定は非侵襲かつ身体的拘束が極めてわずかなので,上記結果から,実際の臨床指導効果の測定に,脈波に基づく心拍反応測定を応用することの妥当性が確かめられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] LD児における漢字の読み書き障害とその発達支援:認知心理学的アプローチに基づく検討2008

    • 著者名/発表者名
      後藤隆章
    • 雑誌名

      障害者問題研究 35・4

      ページ: 263-273

  • [雑誌論文] Properties of lexical process reading kana-words in LD children with specific reading disorders2008

    • 著者名/発表者名
      Goto, Takaaki
    • 雑誌名

      The Japanese Journal of Special Education 45・6

      ページ: 423-436

    • 査読あり
  • [図書] インクルージョン時代の障害理解と障害発達支援2007

    • 著者名/発表者名
      高橋智
    • 総ページ数
      118-120133-133
    • 出版者
      日本文化科学社

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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