研究概要 |
本研究では,(1)Role Model Portfolio(RMP)の評価項目・方法の確立,(2)RMPシステムの構築を行う.それぞれの本年度の研究業績について記す. (1)Role Model based Portfolio(RMP)の評価項目・方法の確立 Open Source Portfolio Initiative(OSPI)[http://www.osportfolio.org/]が公開しているeポートフォリオの入力項目は,欧米の文化色が強く,理系人材育成において必要な実践力が的確に取り込まれていない.よって本研究では,経済産業省がまとめた『大学教育における産業界ニーズと教育カリキュラムのマッチング度合いの分析結果』とイギリスのQuality Assurance Agency for Higher Educationが発表しているベンチマークを参考に6つの評価観点[(1)専門知識,(2)ITスキル,(3)分析能力,(4)表現力,(5)語学力,(6)問題解決能力]を決定し,社会で活躍する卒業生の在学時のデータと比較するロールモデル型e一ポートフォリオを考案した.評価指標をロールモデルとすることで,カリキュラム変更することなしに,システマティックに導入することを容易とした.これにより,能力解析を客観的に行え,また,社会で活躍している卒業生(ロールモデル)のデータと比較させることで,現在の自分の力を客観的にとらえ,自分に足りない能力を見つけることが可能となった. (2)RMPシステムの構築 本研究で使用したOSPIのeポートフォリオは英語版であるため,日本語版へ移植を行った.英語版eポートフォリオのデフォルト機能は,「Enter」:個人情報の入力,「Share」:選択的情報公開・相互評価,「View」:一般公開・相互評価であり,個人の蓄積データの一括外部出力機能,および取得データの解析機能などは有していない.そこで,評価項目を日本仕様に構築し直すと同時に,データ外部出力機能を付加させ,ロールモデルとの比較を行うRMP解析部については,独自拡張を行った.RMP解析部のシステム構築は,LAMPS(Linux,Apache,MySQL,PHP,Smarty)を用いて作成し,達成値の差分を視覚化するレーダーチャートは,JpGraphで実現させた.
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