1.学習プロセスを記録・共有するための環境の構築 フィールドワークや各種実習等のグループで行う実践型学習において、学習のプロセスで記録されるデジタルカメラによる静止画、動画・音声データを参加者間で記録・共有する環境を構築した。また、参加者が活動時に行ったこと・考えたこと等の情報についても、同じく記録・共有できるよう、SNSを活用した環境を構築した。 2.実践型学習の実施とその結果 構築した環境を、構成主義の学習理論を参考に実践されている国際協働プロジェクト等において活用し、活動の記録と共有に利用しうるか、また記録された学習プロセスを活用することで内省が支援されるかどうかについて検証を行った。実践の結果、学習活動のプロセスは、静止画や動画・音声データ、さらに、文書として、構築した環境には十分な情報が記録された。こうした学生の記録を俯瞰することで、教員は、状況に応じた適切な対面指導を展開していくことができた。また、本学習環境により他者の状況理解や自分自身の活動の客観化が促進されることを確認し、学生が内省して次の指針を獲得することを支援可能であることが示唆された。 以上から、本研究により、静止画や動画・音声データの共有環境、および、SNSを活用した文書共有環境による実践型学習のあり方の1つを提案できたと考える。 3.学習環境改善のための要件整理 学習プロセスにおいて記録されたデータを事後に見返そうとした場合に、現状のインタフェースでは不十分であることがわかった。過去の譲許うを容易に振り返るためには、日時をキーとしてSNSからの参加者横断的な検索を実施できること、また、検索結果を当該日時の静止画や動画・音声とともに可視化できること、が学習環境に求められると考察し、要件の整理を行った。
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