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2007 年度 実績報告書

ジェルクリーニング剤を用いたセッコ壁画表面の保存処理法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18700680
研究機関独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所

研究代表者

谷口 陽子  国立文化財機構東京文化財研究所, 文化遺産国際協力センター, 特別研究員 (40392550)

キーワード保存科学 / ジェルクリーニング / 壁画 / 国際研究交流
研究概要

第2年次の本年は,昨年度に引き続き,壁画の構成成分のうち,特に有機物質の分析を行った。壁画表面の洗浄に際し,壁画に含まれる有機物質の水あるいはさまざまな溶媒に対する溶癬度が大きく影響を与えるため,有機物質の同定を重点的に行った。調査に当たっては,米国ゲティ保存研究所と共同研究を行った。壁画の微小試料を用いて,ガム,乾性油/樹脂/蜜蝋,タンパク質の同定を,それぞれ異なる分析条件を用いてGC/MSやELISA法を使用して分析を行った。今回の分析により,中央アジアの壁画に胡桃油あるいなポピーシード油に類似した乾性油,動物由来めタンパク質,卵由来のタンパク質などさまざまな材料が使用されたことを初めて明ちかにした。特に,土製の壁に描かれたセッ壁画に乾性油が膠着材として使用されている例として極めて珍しい事例を明らかにすることができた。土製の壁に描かれた壁画の中にも,油性の膠着材,水性の膠着材,樹脂系のグレーズなど,さまざまな材料が使用されていることが明らかになった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)

  • [雑誌論文] バーミヤーシ仏教壁画にみられる油彩技法にっいて2008

    • 著者名/発表者名
      谷口 陽子、マリーン・ゴット
    • 雑誌名

      佛教藝術 298

    • 査読あり
  • [雑誌論文] バーミヤーン仏教壁画の材質分析(3)-ガスクロマトグラフィー/質量分析法を使用した有機物の分析:B(d)窟-2008

    • 著者名/発表者名
      谷口 陽子, ジョイ・マズレック
    • 雑誌名

      保存科学 47

      ページ: 79-88

    • 査読あり
  • [雑誌論文] バーミヤーン仏教壁画の保存修復(3)バーミヤーン仏教壁画の保存修復(3)-I窟およびN(a)窟における保存修復-2008

    • 著者名/発表者名
      籾井 基充, 谷口 陽子, 大竹 秀実
    • 雑誌名

      保存科学 47

      ページ: 227-234

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Applications of synchrotron-based micro-imaging techniques to the chem ical analysis of anciept paintings2008

    • 著者名/発表者名
      Cotte, M., et. al.
    • 雑誌名

      JAAS (printing)

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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