本年度は、今後の分析において必要となる各種空間データの整備を行った。元が紙ベースの空間データについてはスキャナを用いてデジタル化し、他のデジタルデータと同様に座標を付加している。なお、スキャンは400dpiの解像度で行い、幾何補正時の座標は世界測地系で統一することとした。これにより、収集したデータを統合的に利用・分析することが可能となった。 整備を行ったデータは、縄文時代遺跡データ、旧版地形図(愛知・岐阜1/50000)、旧集落地名、東海地方潜在植生図(1/20万)、土地条件図(地形分類図・表層地質分類図いずれも1/20万)、DEM(名古屋近辺のみ5m解像度から、他の東海地域は50mから12800mの異なる解像度で整備)、地形特徴量データ(DEMから計算された傾斜・接峰面・接谷面・分散等)、ランドサット(解像度10m)、空中写真オルソ画像(春日井市北部のみ試験的に作成)、気候年平均データ(気温・降水・降雪)である。 本年度に予定していたデータに関してはほぼ整備を完了することができたが、整備の過程で今後整備を検討すべきデータも出て来たため、不足データの有無も含めて見直しも行った。例えば、昨年に打ち上げられたALOSの利用や、報告書記載事項の偏りが想像以上に大きかった縄文時代遺跡データに関してなどが、再考・検討をすべきデータの例である。 最後に、試験的にフリーウェアのWebGISエンジンmapserverを用いたシステムを構築し、一部データの登録とWebブラウザを用いた基本的閲覧用機能の動作確認を行った。 以上、本年度では地域の基本的な空間情報の収集及び整備と、来年度に向けた用意を行うことが出来た。
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