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2006 年度 実績報告書

積雪期における森林生態系からの二酸化炭素放出メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 18710002
研究機関北海道大学

研究代表者

高木 健太郎  北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 助手 (20322844)

キーワード北方林 / 積雪 / 冬季 / 二酸化炭素 / フラックス / 呼吸
研究概要

雪面下の二酸化炭素濃度・温度プロファイルを測定するシステムを小型二酸化炭素濃度計と熱電対温度計,多チャンネルデータロガー,タイマ,リレーにより構築し,北海道大学天塩研究林林内の森林伐採跡地に設置した.雪面からの二酸化炭素放出量を評価するために,三次元超音波風向風速計とオープンパス型CO_2/H_2O分析計を用いた二酸化炭素フラックス観測システムを濃度プロファイル測定地点に隣接する場所に設置した.近接した場所において,融雪量,積雪深,地温の観測を行った.
森林における既存の研究結果より,1)積雪内部の二酸化炭素量が積雪深の増加に伴い増加し,風速の増加に伴い減少すること.2)土壌中の二酸化炭素濃度の変動と気温の変動の間に正の相関が認められること.が明らかになっている.本研究による森林伐採跡地における観測より,積雪内部の二酸化炭素濃度変化の風速依存性が増加し,土壌中の二酸化炭素濃度の変動と気温の変動の間に相関が認められなくなったことが明らかになった.
樹木の存在する状態では,樹木が気温に反応し根呼吸の活性が変化するために土壌中の二酸化炭素濃度が変動することが考えられたが,樹木伐採後は土壌環境は積雪上の温度環境には影響を受けなくなることが明らかになった.また樹木伐採によって積雪面の風速が高くなるために,積雪内部の二酸化炭素濃度の風速依存性が強くなったと考えられる.
次年度は観測データの解析を進めるとともに,積雪層内の二酸化炭素濃度変動に関する知見を基にして,積雪内部における物質輸送モデルの開発に着手する.モデルは,気温と地温に依存する土壌中の二酸化炭素発生過程と風速に依存する積雪層内物質輸送過程から構成することを検討する.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 若齢カラマッ植林地における生態系総生産量と呼吸量2006

    • 著者名/発表者名
      高木 健太郎
    • 雑誌名

      農業環境工学関連学会2006年合同大会講演要旨集 (CD-ROM)

  • [雑誌論文] カラマツ植林地における,オープン・クローズドパス渦相関法による蒸発散量の比較2006

    • 著者名/発表者名
      高木 健太郎
    • 雑誌名

      日本農業気象学会北海道支部2006年大会講演要旨集

      ページ: 10-11

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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