研究概要 |
本研究課題は、東アジア独自の乾性沈着推計手法を開発し、当該地域における酸性・酸化性物質の乾性沈着の実態を明らかにすることを目的としている。 平成18年度(初年度)は、まず、日本、中国、タイにおいて酸性、酸化性物質の沈着速度に関わるフィールド観測を実施している国内の研究者を集めて乾性沈着研究会を開催し(2006年8月,明星大学)、知見の集約を行った。さらに、研究会のWebサイトを作成し情報を公開した。次に、2006年9月に、当該手法の基礎を作った米国海洋大気局大気資源研究所(NOAA-ARL)および乾性沈着モニタリングネットワークを運営している米国環境保護庁(US-EPA)を訪問し、これまでの米国における調査研究の経緯および最新の情報を入手した。米国調査結果は、雑誌「エアロゾル研究」に投稿した。得られた知見をもとに沈着速度パラメタリゼーションのたたき台を作成し、これまで特に知見の少なかった東南アジアの熱帯林(タイのチーク林)において、そのフィールド観測データと比較し、二酸化硫黄およびオゾンのパラメタリゼーションの検証、評価を行った。特に、雨季と乾季の差異や非気孔抵抗のパラメタリゼーションいついて新たな知見を得た。本成果は論文としてまとめ、雑誌「Atmospheric Environment」に投稿した。
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