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2006 年度 実績報告書

水酸化ポリ塩化ビフェニルのプロテインジスルフィドイソメラーゼへの作用解析

研究課題

研究課題/領域番号 18710055
研究機関大阪市立大学

研究代表者

岡田 和嗣  大阪市立大学, 大学院医学研究科, 助手 (40423892)

キーワード有害化学物質 / 環境 / 生体分子 / 脳・神経 / 分析化学 / 内分泌撹乱化学物質 / PCB / 成長ホルモン
研究概要

ビスフェノールA(BPA)の母体への曝露が、胎児・乳幼児の脳神経系発達に悪影響を及ぼすことが示唆されている。我々はこれまでに、脳神経細胞においてBPAの特異的結合タンパク質を単離・精製し、このタンパク質が甲状腺ホルモン(T_3)の結合タンパク質であるプロテインジスルフィドイソメラーゼ(PDI)であることを明らかにした。さらに我々は、BPAがPDIに結合することにより、タンパク質のリフォールディング活性、及びT_3結合活性が阻害される事を明らかにしてきた。一方、近年、ポリ塩化ビフェニル(PCB)の代謝物である水酸化PCBが、胎児・乳幼児期の発達過程に重要である甲状腺ホルモンの働きを撹乱し、脳神経系形成に悪影響を及ぼすことが示唆されている。水酸化PCBは核内甲状腺ホルモン受容体を介して、甲状腺ホルモン作用を模倣することが明らかにされているが、PDIに対する作用は明らかにされていない。そこで本研究では、PDIを介した水酸化PCBの作用を明らかにするため、2種類の水酸化PCB異性体(4'OH-2,3,3',4,5-pentachlorobiphenyl、40H-2,3,3',5,5',6-hexachlorobiphenyl)を用いてPDIへの作用を検討した。PDIに対する[^<125>I]T_3の結合阻害試験を行った結果、PCBでは阻害性がみられなかったが、水酸化PCBでは用量依存的な阻害性がみられた。T_3応答性の成長ホルモン産生を示すGH3細胞を用いて検討を行ったととろ、PCB、水酸化PCBともに、成長ホルモン産生への影響は認められなかった。また、水酸化PCBではT_3同様にイソメラーゼ活性の阻害がみられたが、PCBでは影響がみられなかった。これらの事から、PCBが水酸化されることによって、よりT_3に対して構造類似性を有する事によりPDIの機能阻害性をする事が示唆される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Different mechanisms for inhibition of human cytochromes P450 1A1, 1A2, and 1B1 by polycyclic aromatic inhibitors2007

    • 著者名/発表者名
      Shimada T, Murayama N, Okada K, Funae Y, Yamazaki H, Guengerich FP
    • 雑誌名

      Chemical Research in Toxicology 20(3)

      ページ: 489-496

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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