研究課題
In vivo系でのWistarラット雄6週齢を用いたC_<60>の単回尾静脈投与では、C_<60>/リポソーム溶液投与群でC_<60>は検出され、一検体の肝臓、肺からそれぞれ検出された。C_<60>が肺、肝臓から検出されたことで、尾静脈から投与されたC_<60>が肺でトラップされ、通り抜けたものが肝臓に達した可能性が考えられる。しかしながら、検出されたのはそれぞれ1検体のみであり、さらなる調査が必要であると考えられる。In vivo系でのWistarラット雄6週齢C_<60>の反復尾静脈投与試験では、C_<60>/リポソーム溶液投与群のすべての肝臓、腎臓、脾臓、肺からC_<60>が検出された。最高濃度は、肺であったが、ばらつきは大きく、肝臓、脾臓についても肺と同程度の濃度レベルであった。一方、腎臓は他の臓器に比べ極めて低濃度であり、また、投与1日後に解剖した投与群に比べ、投与4日後に解剖した投与群で有意に低濃度であったことから、反復尾静脈投与により、C_<60>は肺、肝臓、脾臓に主に分布し、他の3臓器に比べて微量ではあるが腎臓中で検出されたC_<60>は経時的に尿を通して排泄される可能性が示唆された。Wistarラット雌13週齢妊娠9日目を用いC_<60>の反復尾静脈投与試験を行い、母子間移行を検討した。その結果、雄と同様に、雌の肺、肝臓、脾臓、腎臓からは全ての検体から検出されたが、胎仔、胎盤共にすべての試料においてC_<60>は定量下限値未満であった。尾静脈経由で投与されたC_<60>が肺、肝臓、脾臓等でトラップされ、胎盤に到達した段階ではすでに定量下限値未満になっていることも考えられるため、今後投与条件等を検討し、母子間移行について再度検討する必要がある。
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