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2006 年度 実績報告書

ペプチドを用いた単一構造カーボンナノチューブの分離精製法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18710108
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

田中 丈士  独立行政法人産業技術総合研究所, ナノテクノロジー研究部門, 研究員 (30415707)

キーワードカーボンナノチューブ / ペプチド / タンパク質 / ファージディスプレイ / 可溶化 / 分離
研究概要

平成18年度はまず、ランダムなアミノ酸配列を含み、開環-閉環を制御可能な環状ペプチドを提示するPhDライブラリー(T7ファージ)を遺伝子工学的手法により作成した。環状ペプチドの開-閉環は酸化-還元で制御するが、作成したPhDライブラリーを用いて、まず、ファージ自体が死滅しない酸化剤や還元剤の許容濃度を検討した。この情報を元に、カーボンナノチューブ(CNT)に結合するペプチドのスクリーニングを行った。複数回にわたるスクリーニングの行程を行ったが、最終的にCNTに特異的に結合するようなクローンを得ることができなかった。その原因として、ファージを不活性化しない様な穏和な酸化-還元条件では、ペプチドの開-閉環を完全制御できないことが考えられた。一方で、溝を持つタンパク質を用いたライブラリーの作成に先立って、溝を持ち、疎水部に結合することが知られているタンパク質を用いたCNTの分散・可溶化実験を行った。まず、タンパク質調製のために、組換えタンパク質発現用のベクターを構築した。得られた発現ベクターを用いて大腸菌を形質転換し、誘導発現した。目的のタンパク質が発現していることを確認した後、超音波破砕→熱処理→硫安分画→陰イオン交換カラムの手順で精製した。得られた精製タンパク質を用いて、CNTの分散能力を確かめた。光吸収スペクトルの解析から、本タンパク質が界面活性剤と同様なCNT分散能を持つことを解明した。本タンパク質は超好熱菌由来のものであり、非常に安定性の高い、タンパク質性のCNT分散剤として利用可能である。今後、本タンパク質を用いた詳細な解析を行う予定である。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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