機能性超ナノ磁気微粒子の調製と特性評価(本研究で「超」とは直径が1桁オーダーのナノ微粒子を指している)FeCl_2溶液とNa2SiO_3溶液を材料とし、二つの水溶液を混合し、沈殿物を得た。ついで、約350Kに保持した恒温槽で乾燥後、電気炉にて、873Kの温度範囲で7時間焼成してγ-Fe_2O_3超ナノ微粒子を得た。 X線回折によりコア成分γ-Fe_20_3の周囲をアモルファスSiO_2が一層被覆されている構造をとり粒径は約3.0mmである。これはTEM観察の結果と一致した。磁化測定により本微粒子は常磁性体であった。シラン化により微粒子表面にアミノ基を導入した、IR測定により、超ナノ磁気微粒子表面にアミノ基をシラン化により修飾することが確認できた。機能性超ナノ磁気微粒子の調製ができた。 細胞内への導入 PtK2細胞培養シャーレに、機能性磁気超ナノ微粒子または、コントロールとして蛍光ビーズ(平均粒子径200nm)をそれぞれ培養液に導入した。24時間後のTEM観察では本ナノ微粒子を導入した細胞内から本微粒子が観察された。蛍光ビーズを導入した物は、観察されなかった。また、本ナノ微粒子を導入した細胞をそのまま培養し5日間後に観察した結果、細胞は消滅することなく増殖した。本ナノ微粒子には細胞毒性がないことが示される。 磁気による局所的機能性磁気超ナノ微粒子濃度増大効果 磁気により生体内への本超ナノ微粒子の導入及び、微粒子を組織の1点に集中させた。マウスの外耳部分に本ナノ磁気微粒子を塗布した。塗布した面の反対に円形磁石をテープにより固定した。24時間後にマウス耳殻組織切片から本ナノ磁気微粒子の存在を確認できた。磁力を用いることで局所的にその濃度を向上させることができた。 葉酸修微粒子による細胞特異的デリバリー 葉酸修飾微粒子はガン細胞に特異的に導入できた。細胞選択性機能性超ナノ磁気微粒子の開発ができた。
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