本年度は表面放射赤色半導体レーザアレイを設計・作製して動作確認するとともに、マイクロビーズアレイチップ作製技術を確立することに重点を置いて研究を行い、以下の成果を得た。 1.表面放射赤色半導体レーザアレイの設計・作製・評価 GaInP量子井戸導波路構造基板を用い、4×4のマイクロビーズアレイを4本のレーザで均一に照射する表面放射赤色分布ブラッグ反射型(DBR)レーザアレイを設計・作製した。量子井戸選択的無秩序化により受動導波路吸収損失を低減するとともに、半導体微細加工技術により周期0.3μmの曲線DBRグレーティングと周期0.2μmの表面放射グレーティング結合器を作製した。パルス駆動により波長654mmでピーク出力光パワー4.5mWの表面放射光が得られた。アレイを構成する4本のレーザで同等の出力特性が得られ、各レーザからマイクロビーズアレイを照射するのに適した広がり角をもつ表面放射光が得られた。 2.マイクロビーズアレイチップ作製技術の確立 ガラス基板上に厚膜フォトレジストを120μmの厚さで塗布し、幅50μmの微小流路と4×4のビーズをはめ込むくぼみを組み合わせたパターンを露光・現像してマイクロチップの型を作製した。これにPDMS(シリコンゴム)を流し込み固化させた後、型からはずし、マイクロパンチで送液用の貫通穴をあけた。4×4のくぼみに直径90μmのマイクロビーズをはめ込み、カバーガラスと張り合わせてマイクロビーズアレイ封入微小流路チップを完成させた。微小流路に実際に水を流し、液漏れがなくマイクロビーズが各くぼみ内にとどまっていることを確認した。
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