研究概要 |
本研究の目的である「タイムテーブル最適化におけるハイブリッド・アルゴリズムの構築」に関して,平成18年度の研究計画に従い「タイムテーブル最適化の問題構造の解明」に力を入れて研究を行った. (1)Carry-over値の最適化に関するアルゴリズムについては,従来のものより高速に動作するアルゴリズムの開発に成功し,また漸近的挙動を解明した. (2)移動費用の最小化問題を扱うタイムテーブル最適化については,移動費用が一定とみなせる場合の問題に対して,従来の方法より質の良い時間割の作成が可能な構築法を開発した.開発したアルゴリズムは,公開されているベンチマーク問題のいくつかについて最適解を発見することに成功した. (3)効率的なアルゴリズムの開発が難しいとされている,移動費用が一般の場合の問題に対しては,別の分野で近年開発された非独立型ランダム丸め法を,この分野の問題に適用できるよう改変し,質の良い解を効率的に見つけられることを示した.また,ある条件の下では,線形緩和問題が半整数性をもつことを示した.これにより,線形緩和問題をわざわざ解く必要が全くなくなるため,アルゴリズムの効率化に大きく寄与するものと期待できる.
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