研究課題
本年度は当該課題の第一ステップとして、大きく分けて、1:単一商品の需要予測・発注量決定、2:在庫コントロール方法の制御工学的視点でのモデル化の二点について検討を行った。まず1の需要予測に関しては、販売数が曜日に大きく依存する商品の、高精度かつ簡便な需要予測方法について検討した。従来の先行研究としては、SARIMAモデルのパラメータ推定などによる方法が知られていたが、この方法では元データのサンプル数を多く取る必要があるという難点があった。しかし今回考案した手法は、需要パターンの類型化という方法を採ることで、予測に必要な実績データのサンプル数を少なく抑えることができる。有効性の検証にあたっては、あるSPA(製造小売)型小売業のご好意により提供頂いた実データを用い、外れ値などの特殊値を持つ場合を除き、十分な予測精度が確保できることを確認した。次に2のモデル化に関しては、Dioid代数と呼ばれる離散数学を用いて、システムの振る舞いを完結に表現する方法を検討した。システムへの入力を需要量、出力目標値を適正在庫量、状態変数を在庫水準に設定すると、在庫水準の時間変化は、通常の代数系では非線形な方程式となるが、Dioid代数の下では線形な方程式で記述できることを明らかにした。従来の先行研究は、システムの入出力間の関係に着目した研究が多かったが、これを在庫問題に適用するためには、状態変数の変化も明らかにする必要があり、本年度はこの点についての研究を重点的に行い、特にオンラインでの状態変化に対する状態予測方法を確立した。
すべて 2007 2006 2004 その他
すべて 雑誌論文 (6件) 産業財産権 (3件)
電子情報通信学会論文誌 Vol.J90-A, No.3
ページ: 190-200
Electronics and Communications in Japan, Part 3 Vol. 89, No. 7
ページ: 8-18
Proceedings of the 7-th Asia-Pacific Conference on Industrial Engineering and Management Systems
ページ: 1029-1037
Proceedings of the 11th Annual International Conference on Industrial Engineering Theory, Applications & Practice
ページ: 1047-1052
Industrial Engineering and Management Systems International Journal (投稿中)
International Journal of Computational Science (投稿中)