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2007 年度 実績報告書

マルチメディアネットワークのための新しいトラヒックモデルに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18710131
研究機関京都大学

研究代表者

増山 博之  京都大学, 情報学研究科, 助教 (60378833)

キーワード待ち行列 / マルコフ型流体モデル / マルコフ型到着過程 / 裾の重いサービス時間分布 / 漸近解析 / 劣指数漸近特性 / P2Pストリーミングサービス
研究概要

昨年度は提案したトラヒックモデル,マルチクラス・マルコフ型流体フローを入力とする最も基本的な待ち行列モデルを解析した.その成果は原著論文として海外英文誌に掲載されている.本年度はそうした昨年度の成果を踏まえ,オンデマンド型P2Pストリーミングサービスシステムにおけるクライアントピアの受信バッファをマルコフ型流体待ち行列でモデル化し,受信バッファにおいてストリーミングデータが枯渇する確率を導出した.そして,解析結果を基づく数値実験の結果,普通ピアノードのアップロード帯域を僅かに増加させることでサービス品質の大幅な改善が期待できることを確認した.この成果は国内研究会の技術報告書として公開されている.
また,本年度は上記の研究成果に加えて,裾の重いサービス時間分布を持つ待ち行列モデルの解析も行った.近年,インターネットを流れるファイルサイズは裾の重い分布に従うことが確認されているため,裾の重いサービス時間分布を持つ待ち行列モデルの解析は極めて重要である.当該研究では,最新の大偏差理論や行列解析法を駆使することで,系内客数分布の裾確率に対する劣指数的漸近公式を導出した.この漸近公式は系内客数が十分大きい場合に成り立つものであるが,基本的なシステムパラメータで記述されているため,スイッチやルータ等のバッファ容量の設計に向けた近似公式としての利用が期待できる.また,非ポアソン型到着モデルに対して,系内客数分布の裾確率の劣指数的漸近公式を提示したのは当該研究が初めてである.この成果は国内研究会で発表し,現在,海外英文誌に投稿中である.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Subexponential asymptotics of the BMAP/GI/1 queue2008

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Masuyama, Bin Liu and Tetsuya Takine
    • 雑誌名

      待ち行列シンポジウム「確率モデルとその応用」報文集

      ページ: 87-96

  • [雑誌論文] A Stochastic Fluid Model Approach to the Analysis of User-Level QoS Performance of On-Demand P2P Streaming Services2008

    • 著者名/発表者名
      S. Senda, H. Masuyama, S. Kasahara and Y. Takahashi
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術研究報告 NS2007-139

      ページ: 53-58

  • [雑誌論文] Multiclass Markovian Fluid Queues2007

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Masuyama and Tetsuya Takine
    • 雑誌名

      Queueing Systems 56

      ページ: 143-155

    • 査読あり
  • [学会発表] M/GI/1待ち行列における系内客数分布の劣指数的漸近特性について2007

    • 著者名/発表者名
      増山 博之
    • 学会等名
      日本オペレーションズリサーチ学会 「若手OR研究者の会」第10回研究部会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2007-12-08
  • [備考]

    • URL

      http://infosys.sys.i.kyoto-u.ac.jp/~masuyama/

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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