研究課題
本研究では、中小企業経営のための知識表現モデルとその構造分析手法について研究を進めている。平成18年度は特に以下の点で成果を得た。1)UMLというオブジェクト指向に基礎を置くモデリング手法を改良した方法によって描かれた知識の構造図を数量化し、多変量解析や情報検索手法を援用した方法により分析する手法を提案した。これにより、知識の全体的な構造を把握し、企業経営の意思決定に有用な情報を抽出する方法が示せた。現場の複雑な知識を体系的に捉えると共に、全体像を数量的に把握して意思決定に結びつけることが可能な方法論が整備されるものと考えられる。2)現在提案されている数多くの経営手法やビジネスモデル、企業経営に有効となるキーコンセプトやキーワードを体系化し、構造化された知識体系として再構築した。平成18年度はとくに、過去の事例についてSWOT分析などの経営手法をベースとした枠組みで分析を行い、数量化を行った。これにより、経営戦略・事例の構造化マップとして提案し、企業経営者にとって効率的に情報を探索・活用するための基礎となるデータ構造が与えられた。3)実際に中小企業との共同研究により、中小企業の経営に関わる知財管理、品質管理、生産管理、プロモーションの問題について、そのモデルと現実問題に対する分析を行った。これにより、中小企業においても取り組みが可能な方法論を提示することができ、実証的にその有効性を示すことができた。4)近年増加している自由記述のコメントデータから、有用な情報を抽出し、企業経営に役立つ情報を構造的に提示する方法を提案した。とくに、ネット上での消費者の自由コメントを分析し、顧客ロイヤルティとその要因の関係性を構造化することができた。具体事例を通じて、提案する分析手法の有効性を検証している。
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Journal of Japan Industrial Management Association Vol.58, No.2(掲載決定)
日本経営工学会論文誌 Vol.58, No.3(掲載決定)
武蔵工業大学環境情報学部,情報メディアセンタージャーナル Vol.8
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武蔵工業大学 環境晴報学部 紀要 Vol.8
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The 11th International Symposium on Logistics ISL 2006
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