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半正定値計画問題は、構造安定化計算など半正定値計画問題に直接定式化できる問題だけでなく、効率的な近似解の計算方法の開発により、Copositive Programmingや輸送問題を含む様々な組み合わせ問題へ適用されている。しかし、輸送問題で2次計画問題を介して半正定値計画問題に定式化すると、拠点数を増やしたときの半正定値計画問題の規模は非常に大きくなってしまうなど、既存の単体CPUで実際の応用問題を解くことは難しくなる一方である。
そこで、本研究では単体CPU用の半正定値計画問題ソフトウェアであるSDPAをべースとした並列ソフトウェアSDPARAの開発およびその性能に関する研究を行っている。SDPARAはこれまでに量子化学で発生する超大規模な半正定値計画問題を解くことができるなどの成果をあげているが、今年度は並列計算に必要な時間の推定を自動的に行う研究を行った。これは、一般に並列計算では大規模な問題を解くために長時間の計算が必要であり、実際に解を得る前に計算時間を予め予測しておくことが重要なためである。また、SDPAは今年度大幅に改訂が行われ、計算時間が大きく短縮されたが、この成果を将来的にSDPARAに吸収した際にどの程度の効率上昇が見込まれるのかを評価するためにも有益であるといえる。
さらに、応用面では半正定値計画問題に定式化された輸送問題を解き、既存ソフトウェアよりも大規模な問題を解くことが可能であることを示した。
これらの研究成果は、米国オペレーションズリサーチ学会INFORMS Annual Meetingや、ロジスティクスに関する国際学会International Conference of Logistics and SCMで発表を行った。
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