研究概要 |
本研究は,積雪寒冷地の自然条件・社会条件を考慮した地震危険度評価システムの実現を目的とするもので,3年間に亘って計画される研究の初年度にあたる。以下3項目について研究を進めた。 1.積雪寒冷地の地震危険度評価に関わる関連資料の収集・整備と防災課題の整理 地震危険度評価に必須と思われる地盤資料や建築物・道路・人口分布等の資料収集を行い,これら膨大な量的・質的データを基にGISデータベースを構築するとともに,積雪寒冷地ならではの地震危険度評価に取り込むべき項目の抽出,整理を行った。その結果,堆積雪に伴う避難経路,消火・救急活動のための空間確保の困難等大きな問題を抱えている実態を把握することができた。 2.積雪寒冷地における住宅の振動特性の把握 住宅の地域特性について,秋田市および湯沢市(豪雪地域)を対象とし,木造住宅の常時微動観測を通じて積雪寒冷地における住宅の振動特性を検討した。観測された住宅の固有周期は0.2秒程度であり,他の地域よりも短いことが確認された。積雪時における住宅の微動測定は,平成18年度は暖冬であったことから,平成19年度の冬に行う事となった。 3.道路ネットワークのデータベース構築 応急復旧時の緊急車両や避難などソフト面の対応までを加えて評価に取り込むため,1のデータベースを利用し,秋田市の飯島,土崎,泉地区を対象をして,建築年代別建物および幅員別道路データベースを構築した。今後GIS上での道路ネットワーク解析を可能とするため,各ノードとリンクには,それぞれの座標,道路幅員の情報のほかに,道路と建物の位置関係のIDを持たせている。
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