研究概要 |
(1)スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)が開発した新しい小型自律型ロボットであるe-puckを2台購入し,自律型協調ロボットの研究を行った.e-puckはKheperaIIと比べ,1/3程度の価格(10万円程度)で,かつ,CCDカメラ,3つのマイク,スピーカー,ブルートゥース通信など様々な機能が追加され,16bitのdsp内蔵のdsPICを用い,電源を供給せずにバッテリーで数時間自律的に行動できるようにしたものである.本研究では,まず,一般的な進化的ロボティックスの分野で用いられているニューラルネットワークモデルを用いて障害物回避を行った.続いて,e-puckに内蔵されている3つのマイクを用いて,音源を認識する方法を考案し,障害物回避を行いながら,音源に向かっていく自律的行動プログラムの開発を行った.また,協調の通信方法として,e-puckに内蔵のマイクやスピーカーを用いることや,ブルートゥース通信を用いることを検討したCCDカメラを用いた画像処理による環境認識による方法などを検討した. (2)e-puckとは別に,(1)レスキューで用いるためのロボットアーム,(2)レスキュークローラ,(3)WebカメラとOpenCVを用いたコンピュータビジョン,(4)PSD距離センサなどを用いて2足歩行ロボットの自律歩行,(4)LEGO Mindstorms NXTを用いた自律型ロボットの作成などを試みた. (3)一般的にロボットの学習の研究では,学習に膨大な時間がかかることから,実機ではなく,シミュレータ上で行う.本研究では,Webotsと呼ばれるシミュレータを購入し,従来から学習手法として広く利用されている遺伝的プログラミング(GP)を用いた研究の調査を行った. (4)本研究の基礎技術となる生物情報処理技術として,アリの群知能を最適化へ応用したアントコロニー最適化(ACO)や,パーティクルスォーム最適化(PSO)の基礎研究を行った.
|