研究概要 |
本年度は大規模な群ロボットシステムのための協調手法について検討を行った。広い領域内で多数のロボットが効率よく作業するためには, タスク(作業単位)に割り当てるロボットの数を適切にする必要がある. しかし、これまでの群ロボットシステムのアーキテクチャにおいて、タスクの地理学的な位置を考慮した研究が少なかった。そこで本研究ではタスクの地理学的な位置とサブタスク数を考慮した協調手法を考案した。実現のための具体的な目標を、従来のアーキテクチャを用いることで生じる通信コストの増加と地理学的なタスク割り当ての効率の低下を抑えることにした。解決方針として通信範囲を限定する方法を示した。これにより通信コストが抑えられ, サブタスクに応じた適切な通知範囲を設けることでタスク割り当ての効率の低下も抑えられると考えた。しかしながらサブタスク数を判別することは難しいため活発度と名付けたパラメータを導入した。活発度はサブタスクに取り組んでいるときは上昇し, 取り組んでいないときは下降するパラメータとした。このパラメータめ変化量に上昇時と下降時で差を設けることで, 繰り返し回数とタスクにかかる時間を考慮した変化をさせることができるようにした。これにより適切な通知範囲の設定を行えるようにした。提案手法の評価するためシミュレーション実験をした結果、大規模な群ロボットシステムを広い作業領域で用いる場合に従来のアーキテクチャより有効な場合があることを確認した。
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