研究概要 |
本研究は、高額なレーザープロファイラデータに代わる氾濫解析時の地盤高情報として、航空写真と三次元写真測量システムを用いたデータ作成法を検討した。適用対象は、長崎県大村市を流れる大上戸川の流域とした。これまでの氾濫解析においてよく用いられている2,500分の1地形図、および数値地図50m(標高)から作成した地盤高データと比較したところ、航空写真と三次元写真測量システムから作成したデータの方がより細かな起伏まで表現することができた。しかし欠点として、樹木やアーケードの陰などになっていて地面が写真に写っていない箇所や、勾配が急激に変化している箇所や、写真の中央以外では、得られる地盤高の値に誤差が生じやすいことがわかった。さらに、細かな起伏が再現できたといっても、レーザープロファイラデータとの比較を行っていないため、実際の地形に近づけることができたのかは不明である。以上の結果から、航空写真と三次元写真測量システムから地盤高データを作成する技術としては、まだ実用化できるほどの精度の地盤高データを作成する段階にまでは至っていない。しかし、データの精度を検証し、十分な精度を有していることがわかれば、今後は有用な手法になりうると考えられる。 一方、本研究を遂行するにあたって、非構造格子を作成させる格子作成ツールを作成することができた。これは、格子頂点を決定して格子境界を指定しておけば、自動的にその頂点を結んで格子を生成するツールであり、格子作成時にかかる手間を大きく省力化することができた。
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