今年度は主にsiRNAとペプチドのコンジュゲート分子の合成を行った。antisenseの5‘末端をアミン修飾されたRNAを外注し、まず、そのアミノ基に末端がスクシニル基とマレイミド基が入っているPEGリンカーのカップリングを行った。PEGリンカーの方を50当量いれることにより、RNAと完全に反応させ、アクリルアミドゲルを用いて精製を行った。反応進行の確認はMALDI-TOF-MSを用いて行った。次にRNA結合ペプチドのC末端側にシステインを導入したものと、リンカーのマレイミド基とのカップリングを行った。ペプチドの方を20当量入れ、完全にリンカー結合RNAが消失するまで反応を行った。このコンジュゲート分子はペプチドの効果により、通常のRNAよりも減衰しているため、アクリルアミドゲル上で大幅に上にシフトする。よって、この反応の進行もMALDI-TOF-MSとアクリルアミドゲルを用いて確認を行った。また、ペプチドがRNAに結合していることを確認するため、コンジュゲート分子をProteinaseKと反応させ、ペプチド部を加水分解したところ、コンジュゲート分子がアクリルアミドゲル上でもとの位置にもどった。これはすなわちペプチドとRNAが確実にコンジュゲートしていることを意味する。現在、この分子の標的RNAに対する分子間相互作用とHCV感染モデル系での試験を行っている。この結果を踏まえて、リンカーの長さ等の検討を行う予定である。
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