今年度は岐阜大学から福岡大学へ所属の変更があったため、実験の立ち上げを再度行った。まず、siRNAの合成を行うためのDNA合成機を購入設置した。また、RNA結合ペプチドを合成するためのペプチド合成機を設置した。ペプチドとsiRNAをリンカーでつなぐために、両端に接続のための官能基を合成する。リンカーの接続時はペプチドと核酸の両方に影響を与えない緩和な条件で行う必要があるため、抗体や酵素の標識に多用されるマレイミド法を使用する。リンカーの長さについては活性との比較により決定する。合成した核酸誘導体を用いて核酸合成機により合成siRNAを合成する。ペプチドはHIV REE結合ペプチドとネガティブコントロールとなるHCV SL2結合ペプチドの2種類を、siRNAはまずモデル系で標的となるsiGFPとsiControlの2種を使用した組み合わせ計16種の合成を行う。合成したsiRNAの評価には、レポーター遺伝子の上流にステムループを導入したプラスミドを用いて行う。iRNAの遺伝子抑制能については、GFPとDsRedの蛍光比からsiRNAの遺伝子抑制効果を算出する。上記の遺伝子抑制効果測定法により、リンカーの長さによって最適な分子設計法の確立を行う。19年度は合成法が確立し、レポーター遺伝子を用いたモデル系において効果のあることが認められたが、データをまとめて20年度内に特許出願を目指しているため、ここに成果は記載できない。19年度の研究により目的とする分子の合成法の確立には成功し、ある程度、本システムの優位性示すことができた。平成20年度中の特許出願を目指して実施例を蓄積する必要がある。
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