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2007 年度 実績報告書

複合体結晶構造に基づく抗腫瘍性物質の作用機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 18710180
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

末永 聖武  慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (60273215)

キーワードアプリロニンA / アクチン / アクチン脱重合活性 / 細胞毒性 / レイジスポンジオライドA / 海洋産マクロリド
研究概要

海洋産抗腫瘍性物質アプリロニンAと細胞骨格タンパク質アクチンの複合体の結晶構造が明らかになっている。そこで、結晶構造に基づき、アクチンとの親水的な相互作用に重要な部分が集中しているアプリロニンA側鎖末端部分を含む分子を合成した。前年度までの研究から、アクチンとの相互作用には親水的な相互作用だけなく、脂溶性の相互作用も重要であることが分かったので、メチレン鎖を延長し、芳香環を含む分子を合成したところ、活性が向上し、最も強いものはアプリロニンAの約13分の1の活性を示した。ヘテロ芳香環としてオキサソール環を導入した分子も合成したが、アクチンに対する活性はむしろ下がった。一方、腫瘍細胞に対して細胞毒性試験を行ったところ、10μg/mLにおいても細胞毒性を示さなかった。各種抽出エキスなどに、この人工分子を添加して細胞毒性試験を行い、作用の増強が見られるかどうかについて現在検討を進めている。
また、アプリロニンAと同様にアクチン脱重合活性を有する海洋産マクロリド、レイジスポンジオライド類の合成研究を行った。レイジスポンジオライドAもマクロラクトン環と側鎖部からなる分子であり、アクチンとの結晶構造はアプリロニンAのものと非常によく似ている。 Patersonアルドール反応、クロチルボレーション反応(Roush法)、および立体選択的還元反応を鍵反応として、側鎖部分の合成を達成した。また、マクロラクトン部に対応する2つのセグメントを合成した。今後、各セグメントの連結を検討する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Synthetic studies on mycalolide B: Synthesis of the C7-C35 fragment.2007

    • 著者名/発表者名
      Tomoyuki Kimura, et. al.
    • 雑誌名

      Chem. Lett. 37

      ページ: 1490-1491

    • 査読あり
  • [雑誌論文] アクチンに作用する海洋産抗腫瘍性物質アプリロニンAの生物有機化学2007

    • 著者名/発表者名
      末永 聖武, 木越 英夫
    • 雑誌名

      化学と生物 45

      ページ: 611-618

    • 査読あり
  • [学会発表] アクチン説重合作用を有する人工分子の創製2008

    • 著者名/発表者名
      北村 和犬, ら
    • 学会等名
      日本化学会第88春季年会
    • 発表場所
      立教大学
    • 年月日
      2008-03-29
  • [学会発表] レイジスポンジオライドAの合成研究(1):側鎖部の合成2008

    • 著者名/発表者名
      鳥居原 英輔, ら
    • 学会等名
      日本化学会第88春季年会
    • 発表場所
      立教大学
    • 年月日
      2008-03-27
  • [学会発表] レイジスポンジオライドAの合成研究(2):マクロラクトン部の合成2008

    • 著者名/発表者名
      秋山 聡志, ら
    • 学会等名
      日本化学会第88春季年会
    • 発表場所
      立教大学
    • 年月日
      2008-03-27
  • [学会発表] 海洋産アクチン脱重合活性物質Mycalolide Bの全合成研究2008

    • 著者名/発表者名
      木村 智之, ら
    • 学会等名
      日本化学会第88春季年会
    • 発表場所
      立教大学
    • 年月日
      2008-03-27

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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