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2007 年度 実績報告書

アミノグリコシド抗生物質生合成システムの分子解析に基づいた新規有用物質創製

研究課題

研究課題/領域番号 18710182
研究機関東京工業大学

研究代表者

工藤 史貴  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (00361783)

キーワードアミノグリコシド抗生物質 / 生合成解析 / 2-デオキシストレプタミン / ブチロシン / ネオマイシ / 酵素化学 / 糖転移酵素 / ラジカルSAMタンパク質
研究概要

本研究では、アミノグリコシド抗生物質の生合成酵素を利用した新規有用物質の創製を念頭におき、ブチロシンとネオマイシン生合成酵素の機能解明を行った。本抗生物質群の大部分が有するアミノサイクリトールである2-デオキシストレプタミン(DOS)ば、ネオマイシン生合成遺伝子クラスターにコードされるNeoC、NeoB、NeoAにより構築されることは前年度に明らかにした。今年度はまず、NeoDがDOSに対する配糖化を、NeoLがつづく脱アセチル化反応を触媒してパロマミンを生成することを明らかにした。パロマミンからネアミンヘの変換反応は、NeoGとNeoNが触媒することを英国のグループが先に報告したが、同時期にこれら酵素活性の検出に成功した。ネアミンからリボスタマイシンへと至る反応については、ブチロシン生合成遺伝子クラスターにコードされる酵素を用いて検討し、BtrLがホスホリボシル化を、BtrPがつづくリン酸エステル加水分解を触媒することが明らかとなった。さらに、ネオマイシン全生合成酵素の機能解明を目指し検討した結果、相同性検索からは機能推定が困難であったNeoKが最終段階の配糖化を触媒することが明らかとなった。また、NeoLがこの配糖体の脱アセチル化も触媒することが明らかとなった。さらにその生成物が、NeoGとNeoNによりネオマイシンCへと変換されることも見いだした。すなわち、これら生合成酵素を用いることで、グルコースー6-リン酸からネオマイシンCを酵素的に全合成することが可能となった。
本研究過程においては、BtrLとBtrPを用いてリボスタマイシン類総体を創製することにも成功した。また、ブチロシン生合成における2-デオキシ-scyllo-イノサミン脱水素化酵素反応を、ラジカルSAMタンパク質であるBtrNがラジカル反応機構により酸化することも見いだすことができた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Involvement of Two DistinctN-Acetyl Glucosaminyltransferases and a Dual Functional Deacetylase in the Neomycin Biosynthesis2008

    • 著者名/発表者名
      Kenichi Yokoyama
    • 雑誌名

      ChemBioChem 9

      ページ: 865-869

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Characterization and Mechanistic Study of a Radical SAM Dehydrogenase in the Biosynthesis of Butirosin2007

    • 著者名/発表者名
      Kenichi Yokoyama
    • 雑誌名

      Journal of the American Chemical Society 129

      ページ: 15147-15155

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Unique O-Ribosylation in the Biosynthesis of Butirosin2007

    • 著者名/発表者名
      Fumitaka Kudo
    • 雑誌名

      Bioorganic Medicinal Chermstry 15

      ページ: 4360-4368

    • 査読あり
  • [学会発表] アミノ配糖体抗生物質の主要アグリコンである2-デオキシストレプタミンの菌種により異なる生合成2007

    • 著者名/発表者名
      横山 健一
    • 学会等名
      第49回天然有機化合物討論会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター
    • 年月日
      2007-09-19
  • [備考]

    • URL

      http://www.cms.titech.ac.jp/%7Eeguchi/

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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