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2006 年度 実績報告書

光感応性ミスマッチ安定化分子の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18710187
研究機関大阪大学

研究代表者

堂野 主税  大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (60420395)

キーワード分子認識 / 光スイッチ / ナノ材料 / ナノバイオ
研究概要

光感応性ミスマッチ安定化分子の設計にあたり、我々の研究グループで既に開発に成功しているミスマッチ安定化分子を基本骨格として用いた。ミスマッチ安定化分子は2つの塩基認識部位をリンカー分子で連結した構造を有しており、例えばグアニン-グアニン(GG)ミスマッチを認識する分子は2つのナフチリジン部位を有する。この既存のミスマッチ安定化分子のリンカー部位に光感応性のアゾベンゼンの導入を行った。まずコンピューター計算を用いた分子モデリングにより、パラ位置換のアゾベンゼンを選び、アゾベンゼンとナフチリジンを結ぶリンカーの長さの最適構造を見積もった。分子モデリングより得られた構造に基づき、光感応性ミスマッチ安定化分子の化学合成を行った。得られた光感応性ミスマッチ安定化分子は基底状態ではほぼ100%のトランス体アゾベンゼンからなるが、360nmの光照射を行うと約50%がシス体に変換され、430nmの光照射を行うと完全にトランス体に再び変換されることがHPLC解析により明らかになった。
光による可逆的なシス-トランス構造変換が確認されたので、続いてミスマッチ塩基対を含む様々なDNAの安定性を光感応性ミスマッチ安定化分子の存在下、二本鎖融解温度測定により見積もった。その結果、光照射前後におけるDNA二本鎖の安定性は、期待されたようにGGミスマッチを含むDNAにおいてのみ大きく変化することが確認された。すなわち、360nmの光照射により生成したシス体のみがミスマッチDNA二本鎖構造を安定化し、この過程は430nmの光と組み合わせることで可逆的に制御可能である。コンピューター計算による分子モデリングにより、基底状態のトランス体ではその剛直な構造から安定な複合体を形成できないが、360nmの光照射によりシス体に変換することによって、GGミスマッチを含むDNAへの結合に適した構造をとることが出来るものと示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 その他

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Efficient DNA Alkylation by a Pyrrole-Imidazole CBI Conjugate with an Indole Liker : Sequence-Specific Alkylation with Nine-Base-Pair Recognition2006

    • 著者名/発表者名
      Bando, T. et al.
    • 雑誌名

      Bioconjugate Chem. 17

      ページ: 715-720

  • [雑誌論文] Mismatch Binding Ligands Function as Molecular Glue of DNA2006

    • 著者名/発表者名
      Peng, T., Dohno, C., Nakatani, K.
    • 雑誌名

      Angew. Chem. Int. Ed. 45

      ページ: 5623-5626

  • [雑誌論文] Bidirectional Control of Gold Nanoparticle Assembly by Turning ON and OFF DNA hybridization with Thermally Degradable Molecular Glue for

    • 著者名/発表者名
      Peng, T., Dohno, C., Nakatani, K.
    • 雑誌名

      ChemBioChem (印刷中)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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