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2007 年度 実績報告書

母子世帯を対象とする社会政策における労働とケア、家族と国家の関係についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 18710224
研究機関神戸学院大学

研究代表者

田宮 遊子  神戸学院大学, 経済学部, 講師 (90411868)

キーワード社会政策 / ジェンダー / 母子世帯
研究概要

本研究では、近年の母子世帯を対象とした社会政策の転換、すなわち、所得保障制度(主として児童扶養手当)の縮小と就労支援策の拡充が母子世帯の生活や労働に与える影響を分析した。とくに、母子世帯の生活状況を生活時間の観点から検討を加えた。
日本の母子世帯の母の仕事と育児の時間配分を欧米諸国の場合と比較すると、日本の母子世帯の母は顕著に仕事時間が長い一方、育児時間が極めて短い仕事中心の生活となっている。また、時系列変化をみると、日本の母子世帯の長時間労働、短い育児時間の生活パターンは、近年よりその傾向が強まっていることが明らかになった。
生活時間分析の結果から得られる政策インプリケーションは、まず、母子世帯の母の仕事時間を短縮し,育児時間を確保すること、言い換えれば、母子世帯の母のワークライフバランスを確保するための政策的支援が必要である。具体的には、柔軟な労働時間を選択できるようにすることや、子どもの病気など突発的な事情での休暇取得を可能にするための支援が挙げられる。また、母子世帯の母のワークライフバランスを保つために仕事時間を短縮した場合の減収を補〓する所得保障を伴わせることである。就労率が高く、労働時間が長く、貧困率が高いという日本の母子世帯の特徴をふまえると、所得保障の存在は欠かせない。くわえて、近年重点的に実施されている就労支援策の利用者が少ないことの要因の一つには、職業訓練等を受ける時間を確保することが困難なほどの長時間労働にあることが示唆される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 母子世帯の仕事と育児-生活時間の国際比較から-2007

    • 著者名/発表者名
      田宮遊子・四方理人
    • 雑誌名

      季刊社会保障研究 43

      ページ: 219-231

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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