研究課題
前年度にひきつづき、両大戦間期の欧米の家庭雑誌および日本のデザイン関連雑誌の分析を進め、モダンデザインとジャポニスムの関係、また新しいジャポニスムの提言の政治的な側面の分析を進めた。さらに、戦後1970年代あたりまでの日本におけるデザイン言語の検証、モダン・ジャポニスムを打ち出したキーパーソンの特定、アメリカとヨーロッパにおける日本のデザインの需要状況との関連性などを探求した。これにより、戦後のアメリカ社会における日本製品の消費にみられた、いわば高位のジャポニスムと低位のジャポニスムとの混乱状態と、ヨーロッパから弾劾された日本デザインの模倣問題との関係をさらに追究する必要があることに気がついた。これまでの研究成果を国際会議(International Conference of Design Hisory and Design Studies)、および、イギリスの「Forgotten Japponisme」研究グループ(チェルシー芸術大学)のクローズド・ワークショップにおいて発表した。また、国際的な学術雑誌『Journal of Design History』に投稿論文が掲載され、昨年度『デザイン学研究』(日本デザイン学会)に掲載された論文が年間論文寅を受賞した。さらに、ジャポニスムを考察する上で車要人物であるチャールズ・ホームの日本旅行記の編纂を、イギリスの専門家Sonia Asnmore博士およびホームのひ孫であるライター、Toni Hubermanとともに、グローバル・オリエンタル社より出版できた。
すべて 2008
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)
Journal of Design History Vol.21, no.3
ページ: 259-275
Proceedings of ICDHS 2008 OSAKA
ページ: 64-67