研究課題
本研究では、中興期俳諧の主導的役割を担った蕪村と暁台・樗良の関係に焦点をあて、安永天明期の京都伊勢という場(俳壇)を対象に調査しようとするものである。連句を主体とする「座の文芸」である俳諧において、お互いの俳壇がいかに影響しあったのか、それが作品に、どのように有機的に投影されたのかを解析しようとした。蕪村と暁台は、作法・仮名遣いなどの面では相反する要素も多いが、俳壇的立場からみることにより、今まで注目されてこなかった蕉風理念「からび」を共有していたとの見通しをたてた。その共通理念のもとに、安永・天明期の蕉風復興運動(とくに芭蕉百回忌取越追善の風羅念仏法要)が推進されたと予測し、関係資料の調査・分析につとめた。18年度は、蕪村に比べて著しく資料の整備が遅れている暁台資料の調査と分析を行い、関係俳書(主に和装本)の探査を中心に東京・伊勢などの現地調査に赴いた。早稲田大学中央図書館、都立中央図書館、藤園堂所蔵の俳書における書誌研究も行った。関西方面では、天理大学図書館・財団法人柿衞文庫等に赴き調査を行った。とくに天理図書館綿屋文庫蔵の伊勢資料である「逸漁俳諧資料集」を中心としたマイクロ・和装本について書誌および入集者の調査を行い、これらの資料をもとに、一部逸漁俳書の翻刻・データベース化を遂行した。その調査の結果をもとに、未紹介の暁台真蹟資料である『暁台折手本』(仮題)、暁台書簡群の翻刻・資料等を発表した。
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桜花学園大学人文学部研究紀要 9
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