近現代の関西文壇や出版の状況は、まだ全貌が分からないことが多い。本研究では、関西の出版や文壇の状況を把握することを目的とし、海外文壇が関西の作家や出版状況に与えた相互影響関係や、関西の作家と中央文壇(東京)とのつながりについて研究した。 明治、大正、昭和期における関西文壇や関西の出版文化が、どのような文化的背景の中で生まれ、東京などの中央文壇や、海外の文学状況と相互に関わりながら、成立し、発展していったのかを調査研究した。関西の作家は、東京の文壇にも進出し、多大な影響を及ぼした。また、海外の中でも、本研究では、とりわけ中国、台湾における関西の作家の役割が一部明らかとなったことは成果といえる。
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