研究概要 |
19世紀前半の英国とアイルランドの小説における「愛国主義」の概念化とそれを取り巻く言説の関係の、一層明確な展望と具体的な特性記述を通し、そこに内在する理念を提出した。そのため主要小説における愛国者と他者の表象の特徴を、大英帝国の文壇と「ケルト辺境」、フランス、地中海世界、「オリエント」を結びつけ交錯する文化・政治言説のネットワークの中に位置づけ、さらに、小説の制度化に果たしたFrances Burney (1752-1840), Maria Edgeworth (1767-1849), Jane Austen (1775-1817)らの貢献を再評価した。
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