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2006 年度 実績報告書

イギリスの福祉国家への転換とその文化への影響--ヴァージニア・ウルフを中心に

研究課題

研究課題/領域番号 18720080
研究機関京都ノートルダム女子大学

研究代表者

河野 真太郎  京都ノートルダム女子大学, 人間文化学部, 講師 (30411101)

キーワードイギリス / 戦間期 / モダニズム / ヴァージニア・ウルフ / 福祉国家 / 都市計画 / 有機体論 / 人類学
研究概要

本年度は基礎研究として、資料の収集と分析・整理を主に行った。調査の対象となった資料は戦間期イギリスの文学作品、その周辺の文化論、そしてそれらを対象とする現代の研究書である。特に、F. R. リーヴィスとQ. D. リーヴィス(F. R. and Q. D. Leavis )の文化論とその周辺に関する研究が進捗し、それらの言説がイギリス国内の階級状況・文化状況への反応であるとともに、イギリス帝国の世界における位置の変化の帰結であることを示すことができた。
また、論文として成果を公表するにはいたらなかったが、イギリスにおける人類学・民俗学と文化との関係についての研究が進捗し、ジェイン・ハリスン(Jane Ellen Harrison)らの考古学・人類学者の言説と、当時の文学、そして文学者の「文化」に対する観念の形成が不即不離の関係にあることが発見された。この主題については学会における口頭発表を行っており、来年度論文として公表する予定である。
同時に、上記の人類学言説、そして都市文化の交差点に位置する作家として、現在は全く知られていないホープ・マーリーズ(Hope Mirrlees)という作家に注目し、研究を進めた。マーリーズに関しても研究経過を口頭発表にて報告しており、来年度論文化する予定である。
研究を進めるにしたがって、本研究課題にとって戦間期の都市論・田園(田舎)論が重要であることが明らかになってきた。本研究が中心的対象とするモダニズム文学を都市文学として見る研究はこれまで盛んになされてきたが、その田園との関係、特に同時代の都市計画などとの実定的な関係についてはまだ十分に研究がなされていない。本年度は、都市計画家のエベニザー・ハワード(Ebenezer Howard)らの著作を調査した。これらの調査結果は来年度口頭発表する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 大戦間の「文化研究」と自由主義イングランドの奇怪な死2006

    • 著者名/発表者名
      河野 真太郎
    • 雑誌名

      日本英文学会第78回大会Proceedings

      ページ: 140-142

  • [図書] 愛と戦いのイギリス文化史1900-19502007

    • 著者名/発表者名
      武藤 浩史 他編
    • 総ページ数
      366
    • 出版者
      慶應義塾大学出版会

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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