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2007 年度 実績報告書

イギリスの福祉国家への転換とその文化への影響-ヴァージニア・ウルフを中心に

研究課題

研究課題/領域番号 18720080
研究機関京都ノートルダム女子大学

研究代表者

河野 真太郎  京都ノートルダム女子大学, 人間文化学部, 講師 (30411101)

キーワードイギリス / 文学 / 戦間期 / モダニズム / ヴァージニア・ウルフ / 福祉国家 / 都市計画 / 田園保存運動
研究概要

戦間期イギリス文学における帝国の縮小と福祉国家化という問題を、特に都市と田園にまつわる諸言説め検討という形で進めた。具体的には、主にヴァージニア・ウルフ『ダロウェイ夫人』と、E.Mフォースター『ハワーズ・エンド』の二作品について検討した。『ダロウェイ夫人』は田園主義的な言説に対して、都市の経験を称揚するモダニズム文学と捉えられることが多いのに対し、この作品が別の形での田園希求(新たなイングッシジュネスの模索)を行っていることが明らかになった。『ハワーズ・エンド』も同様に、田園主義言説に深く関わる作品であるが、近年のイングリッシュネスにまつわる研究を参照するとき、この作品にはイギリス帝国とその没落、田園回帰の欲望以外に、萌芽的な形態でのグローバリゼーションを読み取れることが明らかになった。文学作品めみならず、戦間期の田園保存言説や都市計画についての調査を進めたが、そこに見られるのは単純な田園回帰の呼び声ではなく、進むイギリス帝国の崩壊と萌芽的なグローバリゼーション(場合によってはアメリカナイゼーションと区別がつかない)との交渉であった。こういった諸要素は、戦前の『ハワーズ・エンド』にすでに見られたのである。
一方で、文化理論全般について、特に批評家ウィリアム・エンプソンおよびレイモンド・ウィリアムズに関する研究も進めた。特に後者は、現代の文化理論においても変わらぬ有効性を持つことが明らかになり、本研究課題の基礎研究として大いに役立つものである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 都市と田園のテクノロジー-歩く『ダロウェイ夫人』2007

    • 著者名/発表者名
      河野 真太郎
    • 雑誌名

      ヴァージニア・ウルフ研究 24号

      ページ: 46-60

    • 査読あり
  • [学会発表] <経験>の時制-The Volunteersにおける未来の考古学2008

    • 著者名/発表者名
      河野 真太郎
    • 学会等名
      日本女子大学文学部学術交流シンポジウム
    • 発表場所
      日本女子大学
    • 年月日
      2008-03-22
  • [学会発表] 『ハワーズ・エンド』とイングリッシュネス・スタディーズ2007

    • 著者名/発表者名
      河野 真太郎
    • 学会等名
      日本英文学会関東支部会第2回大会
    • 発表場所
      慶應義塾大学
    • 年月日
      2007-09-22
  • [学会発表] 都市と田園のテクノロジー-歩く『ダロウェイ夫人』2007

    • 著者名/発表者名
      河野真太郎
    • 学会等名
      新英米文学会第38会大会シンポジウム
    • 発表場所
      国士舘大学
    • 年月日
      2007-08-26

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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