研究概要 |
19年度は,昨年度につづき当該研究に関わる資料や文献の調査,整理,分析を進めながら,研究成果の公開に努めてきました。資料調査の方では,現在日本に所藏されていない中国側の資料(「満洲国」時期のハルピンや瀋陽(奉天)で発刊された『大北新報』,『国際協報』,『哈爾濱日日新聞』,『哈爾濱公報』,『民声晩報』などの新聞や雑誌)に対する発掘調査の作業をおこないました。一部の資料の所在が調査で新たに判明し,研究テーマに関わるところを部分的に複写してきました。また,マイクロフイルム化された資料を一部購入しました。現在,これらの資料を分析しながら,整理作業を進めています(記事見出しのデータベース化を摸索しています)。 また,中国研究者と学術交流を進めてきました。資料調査で訪中する際に、関連分野の専門家や関係者と研究会や懇談会を開くなどして、意見交換をおこないました。交流をきっかけに,中国側の学術雑誌に日本側の資料や研究視点を取り入れた学術論文を投稿し,刊行されました。同時に,中国側の研究成果を日本の研究誌に翻訳紹介しました。このように、日中双方の研究成果を互いに紹介した,日中横断的な研究を進めてきました。今後も学術交流(特に研究者の往来などの人的交流の面で)をさらに深めていきたいと考えております。 一方,日本国内においても研究交流を進めてきました。関わっている「満洲国」文学研究会の運営を通じて,昨年度は二回の研究発表会や数回の懇談会・読書会を開催してきました。また,関連の研究組織との交流も深めました。
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