研究課題
前年度に電子テキスト化したシベリア・ユピック語の文字資料をコーパス資料として用いられるように分析・整理をすすめつつ、音声資料の文字化をおこなった。<音声資料にかんして>1970年代に人類学者によって録音された当時70代の数名の話者による語りのテキスト8編を、アメリカ合衆国アラスカ州セント・ローレンス島ギャンベル、およびアンカレッジにて(2007年7月18日〜9月26日)シベリア・ユピック語話者数名の協力のもと、書き起こし、テキストの内容にかかわる語彙・文法調査をおこなった。このことにより、現在では用いられない語彙、文法などの掘り起しができた。この資料を他の文字資料とあわせてデータベース化を進める予定である。またご文字資料として現地還元のため出版予定である。<文字資料にかんして>これまで出版されてきたシベリア・ユピック語のテキストをソフトウェアToolboxによりデータベース化を進めた。このデータベース化によって、発話ごとに語を形成する複統合語であるシベリア・ユピックの形態素分析を効率よく進めることができるようになった。このデータベースを利用した成果としてシベリア・ユピック語の文法概説である永井(2007)を出版した。このデータベースを利用したテキスト集、シベリア・ユピック語の教科書の出版を予定している。また談話の中での動詞の用いられ方についてコーパスを利用して考察した論文を準備している。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (3件)
中山俊秀・山越康裕編『文法を描くーフィールドワークに基づく諸言語の文法スケッチー』東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 2
ページ: 159-195
北海道立北方民族博物館編『第22回特別展 環北太平洋の文化II-世界で一番ダイナミックな海べーリング海に生きる人びと舞台は極北のべーリング海自然も文化も歴史もひとめぐりチュクチもエスキモーもアリュートも日本人も大活躍』, 北海道立北方民族博物館
ページ: 20-25