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2008 年度 実績報告書

ドイツ語のリズムと調音運動に関する対照音声学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18720106
研究機関神戸大学

研究代表者

林 良子  神戸大学, 大学院・国際文化学研究科, 准教授 (20347785)

キーワードドイツ語 / 母音 / 韻律 / 視覚フィードバック / 調音運動 / 音声教育
研究概要

本年度は、昨年度開発した発音習得のためのドイツ語音声練習ソフト(ATR-CALL-Deutsch)について、学会(日本独文学会、日本音響学会)にて概要を発表し、視覚フィードバックを用いた練習ソフトによる発音練習結果について論文として発表した(「ドイツ語教育」)。ドイツ語発音練習ソフトに関しては、昨年度から行なったワーキンググループの検討結果を生かして、男性・女性の声の選択や、「練習のポイント」の表示ができる機能を追加し、さらにドイツ語音声を自律的に学習できるようなプログラムを構築した。この練習ソフトを使用したドイツ語学習者へのアンケートを実施したところ、回答者の80%以上がドイツ語の母音や韻律の習得に有効であるとしており、概ね本研究の結果が総合的に生かされるものとなった。特に韻律の学習については、高い満足度が得られた。練習前後の音声を収録し、音響分析を行なったところ、これまでに決定的な練習法の無かった、ドイツ語前舌円唇母音に関しても一定の練習効果が見られることが分かった。ただし、学習者が難しいと判定する課題文や母音、子音と、実際にネイティブスピーカーの発音から逸脱しているものとは、ずれがあることも分かった。具体的には日本語の音で代用されてしまうi、u、eなどの母音や、平叙文におけるピッチパターンなどが、逸脱しているのにも関わらず学習者には難しいと感じられていなかった。また、この練習ソフトに関して、ドイツ、イタリアのドイツ語教育機関においてデモンストレーションを行なうとともに、日本人ドイツ語学習者のドイツ語音声学習の困難さについての議論を行なった。
さらに、これまでに蓄積してきたドイツ語、日本語のMRI動画データを整理し、日本語のデータと比較することで、調音の特徴を視覚的に示すことのできる教材を作成した。この教材については、ドイツ語教育研究会にて発表し、授業への活用方法などについて、議論が行なった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 非母語の母音習得における視覚フィードバック学習の効果-ドイツ語前舌円唇母音の学習-2009

    • 著者名/発表者名
      林良子・安田麗・山田玲子
    • 雑誌名

      日本音響学会春季研究発表会講演論文集

      ページ: 565-567

  • [雑誌論文] フィードバック訓練によるドイツ語母音・韻律の習得-ATR-CALL-Deutschを用いた発音訓練結果-2009

    • 著者名/発表者名
      林良子
    • 雑誌名

      ドイツ語教育 14(in press)

    • 査読あり
  • [学会発表] 非母語の母音習得における視覚フィードバック学習の効果-ドイツ語前舌円唇母音の学習-2009

    • 著者名/発表者名
      林良子・安田麗・山田玲子
    • 学会等名
      日本音響学会春季研究発表会
    • 発表場所
      東京工業大学
    • 年月日
      2009-03-18
  • [学会発表] ATR-CALL-DEUTSCH、MRI動画資料を用いたドイツ語音声の学習2008

    • 著者名/発表者名
      林良子・安田麗
    • 学会等名
      ドイツ語教育研究会
    • 発表場所
      東京ゲーテ・インスティトゥート
    • 年月日
      2008-11-21
  • [学会発表] フィードバック訓練によるドイツ語母音・韻律の習得-ATR-CALL-Deutschを用いた発音訓練結果-2008

    • 著者名/発表者名
      林良子・安田麗
    • 学会等名
      日本独文学会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2008-10-12

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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