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2006 年度 実績報告書

方言変容の「フィルター」として働く地域社会の構造と志向性

研究課題

研究課題/領域番号 18720116
研究機関秋田大学

研究代表者

日高 水穂  秋田大学, 教育文化学部, 助教授 (80292358)

キーワード言語学 / 国語学
研究概要

本研究では、地域社会の構造的特性(階層差や都市化の程度、それに伴う生活様式)や志向性(規範意識、人の気質)を「社会フィルター」と呼び、ある種の言語変化が、この「社会フィルター」を介して生じると考える。こうした想定のもと、「社会フィルター」を介した言語変化の事例を分析することにより、方言差が生じるプロセスを明らかにしていく。
平成18年度は、中央社会と地方社会の比較という観点から、本土とは異なる文化的・歴史的背景を持つ沖縄社会の言語使用の動態を調査・分析するために、下記の日程でフィールドワークを実施した。
6月16〜19日沖縄県那覇市におけるフィールドワーク(準備調査)
9月18〜23日沖縄県那覇市におえるフィールドワーク(本調査)
9月に実施した本調査では、以下の調査を実施した。
・那覇市首里出身の老年層話者2名に対する、方言使用(主として授受表現、指小辞「グヮー」)に関する聞き取り調査と場面設定の会話の音声収録調査。
・琉球大学学生2名(那覇市首里出身・宜野湾市嘉数出身)に対する、方言使用に関する聞き取り調査と場面設定の会話の音声収録調査。
・那覇市立城西小学校の方言クラブ活動の見学。および地域ボランティアとして方言指導を行う方々へのインタビュー。
・那覇市立城南小学校の地域ボランティアの方々へのインタビュー。
・那覇市立泊小学校の卒業生に対するインタビュー。
以上の調査をふまえて、秋田大学の学生による以下のレポートの指導を行った。
加藤麻美「女性の名前の変遷から見る本土と沖縄の意識差」
斎藤泉実「那覇方言の指小辞「グヮー」の意味・用法」
猿田美穂子「標準語励行の実態と人々の意識-方言札に着目して-」
以上のレポートは、島村恭則・日高水穂編『2006年度日本・アジア文化調査実習沖縄フィールド・リサーチ1』(秋田大学教育文化学部)に掲載した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 文法化の地域差-「のこと」からコト・トコ類への文法化と地理的分布-2006

    • 著者名/発表者名
      日高水穂
    • 雑誌名

      日本語学 25巻9号

      ページ: 58-65

  • [雑誌論文] 地図にみる方言文法 東の方へ(行け)2006

    • 著者名/発表者名
      日高水穂
    • 雑誌名

      月刊言語 35巻12号

      ページ: 28-31

  • [雑誌論文] 地図にみる方言文法(孫に本を)やった、(犬に餌を)やった(か)2006

    • 著者名/発表者名
      日高水穂
    • 雑誌名

      月刊言語 35巻12号

      ページ: 68-71

  • [雑誌論文] 秋田方言の親族語彙の体系変化に見られる非対称性2006

    • 著者名/発表者名
      日高水穂
    • 雑誌名

      日本のフィールド言語学-新たな学の創造にむけた富山からの提言-(真田信治監修/中井精一・ダニエル ロング・松田謙次郎編)(桂書房)

      ページ: 206-220

  • [雑誌論文] 「のこと」の機能-話しことばにおける新しい格表示-2006

    • 著者名/発表者名
      日高水穂
    • 雑誌名

      仁田義雄先生還暦記念論文集 日本語文法の新地平(形態論・文核編)(くろしお出版)

      ページ: 83-101

  • [雑誌論文] 文法化2006

    • 著者名/発表者名
      日高水穂
    • 雑誌名

      シリーズ方言学2 方言の文法(小林隆監修)(岩波書店)

      ページ: 181-219

  • [図書] 授与動詞の対照方言学的研究2007

    • 著者名/発表者名
      日高水穂
    • 総ページ数
      354
    • 出版者
      ひつじ書房

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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