• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

方言変容の「フィルター」として働く地域社会の構造と志向性

研究課題

研究課題/領域番号 18720116
研究機関秋田大学

研究代表者

日高 水穂  秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (80292358)

キーワード言語学 / 国語学
研究概要

本研究では、地域社会の構造的特性(階層差や都市化の程度、それに伴う生活様式)や志向性(規範意識、人の気質)を「社会フィルター」と呼び、ある種の言語変化が、この「社会フィルター」を介して生じると考える。こうした想定のもと、「社会フィルター」を介した言語変化の事例を分析することにより、方言差が生じるプロセスを明らかにしていく。
平成20年度は、秋田の地域特性を反映した方言の活用例を分析し、「現代方言とフォークロリズム-秋田の事例から-」と題して、日本言語学会(「危機言語」小委員会)主催公開シンポジウム「日本のなかの危機言語-アイヌ語、琉球語、本土方言-」(東京大学)において発表した。また、秋田において頻繁に行われる「県民性」言説とそこに利用される方言の事例を分析した「秋田における「県民性」言説の創出と再生産」を『秋田大学教育文化学部紀要人文科学・社会科学部門』第64集に掲載した(共著者 : 石沢真貴・近藤智彦)。
一方、地域性の特性が言語運用を含む生活文化に見出される事例として、近世には北前船の寄港地として栄え、近代には木都として繁栄した秋田県能代市においてフィールドワークを実施した。能代市および隣接する八峰町は、かつてニシン漁で北海道への出稼ぎがさかんであった。そのため、北海道沿岸部(松前・江差など)との交流の記憶が、現在の生活文化の中に痕跡を留めている。その検証のために、函館・松前・江差においてもフィールドワークを行った。能代市および北海道におけるフィールドワークの結果は、現在報告書にまとめているところである。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 秋田における「県民性」言説の創出と再生産2009

    • 著者名/発表者名
      日高水穂・石沢真貴・近藤智彦
    • 雑誌名

      秋田大学教育文化学部紀要人文科学・社会科学部門 64

      ページ: 51-61

  • [雑誌論文] 「そこに車を止めればダメです」-標準語と方言の意味のずれ2008

    • 著者名/発表者名
      日高水穂
    • 雑誌名

      月刊言語 37巻10号

      ページ: 44-51

  • [雑誌論文] 方言形成における「伝播」と「接触」2008

    • 著者名/発表者名
      日高水穂
    • 雑誌名

      山口幸洋博士の古希をお祝いする会『方言研究の前衛山口幸洋博士古希記念論文集』

      ページ: 425-442

  • [学会発表] 現代方言とフォークロリズム-秋田の事例から-2009

    • 著者名/発表者名
      日高水穂
    • 学会等名
      日本言語学会「危機言語」小委員会主催公開シンポジウム
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2009-03-14
  • [学会発表] 敬語と授与動詞の運用に関わる現場性制約-日本語諸方言の対照研究の観点から-2008

    • 著者名/発表者名
      日高水穂
    • 学会等名
      日本語文法学会(第9回大会)
    • 発表場所
      甲南大学
    • 年月日
      2008-10-18

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi