研究概要 |
現代標準語研究では「ではないか」「だろう」「よね」「ね」といった形式を確認要求表現と呼び,それらの形式の意味・用法についての分析がすすめられている。日本語諸方言に目を向けると,この確認要求の意味を様々な形式で表しており,またそれらの形式が表す意味も方言間で異なっている。本研究では,日本語諸方言における確認要求表現の対照研究を最終的な目標として設定し,その基礎となる記述的研究をおこなうことを目的とする。 本年度は,臨地調査(1,2),および臨地調査の準備(3,4)をおこなった。 1.鹿児島県大島郡瀬戸内町における臨地調査 現地調査を2006年8月,11月の計2回実施した。現在,成果発表の準備をすすめている。最終的な確認をおこなうために,次年度も臨地調査を1回おこなう。 2.石川県白山市白峰における臨地調査 現地調査を2006年8月に実施した。今年度の調査ではひとまず当該方言の簡単な記述をおこない,より詳細な記述は次年度以降におこなう。 3.静岡県・富山県における準備調査 静岡県・富山県において,現地の方々が主催する研究会に参加し,当該方言の記述の準備をおこなった。富山県については,次年度以降本格的な調査をおこなう予定である。 4.談話資料・既存の方言地図による準備調査 既存の方言談話資料(NHK全国方言談話資料・ふるさとことば集成)や言語地図(方言文法全国地図準備調査)を用いて,諸方言における確認要求表現の類型化をおこなう予定である。本年度はその準備段階として,既存の資料から確認要求表現を検索し,データベース化する作業をおこなった。 次年度以降は,1.と2.の調査を継続しておこない,3.の調査を始動する。また,4.の類型化についての分析をすすめる予定である。
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