本研究では、さまざまな言語における、語境界を越えて適用される音韻規則の適用領域(phonologicalphrasing)を研究し、統語部門と音韻部門のインターフェイスの特質を明らかにすることを目指している。生成文法(ミニマリストプログラム)の理論的な枠組みで、多重書き出し(Multiple Spell-Out)により音韻部門に送られる音声的記号列が語境界を越えて適用される音韻規則の適用領域に相当するという仮説のもと、特に音韻規則の適用領域の「再構築」に関する調査を行い、分類的な記述をし、パラメータに基づく理論的な説明を与えることを目指す。特に焦点(Focus)により誘発される再構築と統語的枝分かれの有無に基づき適用される再構築に関するデータの収集、そのデータに基づく記述的一般化、そして仮説検証に主眼をおいている。この目的のために、9月16日から21日にかけて米国コーネル大学付属図書館(Olin Library)にて資料収集を行い、同大学言語学科Draga Zec教授、 John Whitman教授、John Bowers教授、Michael Wagner教授と関連事項に関する議論を行った。同大学において、"Asymmetry in Phonology and Syntactlc Derivation"と題して講演を行った。9月23日にニューヨーク市民図書館において、アフリカの言語に関する資料の閲覧をした。また、本研究に必要な書籍の購入をした。
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