研究概要 |
本年度は主に,昨年度開始した Shorter Oxford English Dictionay(CD-ROM)の検索能を用いた調査に多くの時間を費やした。そのため、目に見える形の業績としては国際學会での口頭発表の一件しか残世なかったが,本年度の成果をもとに来年度以降に論文を執筆する予定である。 上記の調査では,接尾辞ことの強勢パターンの計量と,各接尾辞の語根形熊素への付加割合,および語基からり強勢保持の割合の計量を行った。後者についての調査はかなりの割合まで進み,部分順序付け理論で予測される4種類のクラスについて,英語の接尾辞は均等に分歩しているわけではないことがわかりつつある。かといって全くランダムな場合に予測される分歩ともまた異なるため,この問題は現在のところまだ分析されるべき余地があるものであると言うことかが出来る。この研究結果は韓国音韻論・形態論学会の第4回国際大会で口頭発表された(日本音韻論学会からの代表派遣)。 この問題について、英語音韻論の研究者であるロンドン大学ユニバーシティカレッジのJohn Harris教授を訪問し,活発な議論を行った。解決に繋がる明確な方向性はつかめなかったが,示唆に富む意見を得ることが出来た。 米国スタンフォード大学にて開催された「音韻諭における変異・グレイディエンス・頻度に関するワークショップ」に出席しこの研究に大きく関係するグレイディエンスについての研究を行っている第-線の研究者達と議論する機会を得た。特に部分順序付け理論の主たる考案者である ArtoAnttila からは,同理諭の涯生理諭であるT-Order (類型順序)論の上でも,昨年度得た強勢パターンの分類が理論的予測と-致しそうだいという,大変心強いコメントを得ることが出来た。
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