本研究の目的は、医療系大学生のリーディング・リテラシーの涵養をコミュニケーション教育の立場から目指すことを通し、社会的に要請されている、医療機関利用者-医療関係者のより良い関係の構築、医療関係者の生涯学習力の向上に寄与することである。 平成20年度は、平成19年度の研究成果の実施、評価、再デザイン、および成果の発表を中心に行った。これまで教育・研究上交流のあった専門家(コミュニケーション教育研究者、医療系大学準備教育担当者、教育方略の専門家、インストラクショナル・デザイナー等)に加え、医療系大学生という対象の特性に鑑みた内容面の充実を図り、いのちの教育、医療人文学の専門家の協力を得、調査研究内容をさらに充実させた。 具体的な内容は、以下の通りである。(1)平成19年度までに収集したリーディング・リテラシーに関連する国内外の論文、文献、教科書、HP等の情報の分析結果のさらなる充実、(2)平成18年度の成果を踏まえ、平成19年度に専門家(コミュニケーション教育研究者)との共同作業によりデザインした医療系単科大学(医学部)の初年次教育における表現技術系科言(必修科目)のシラバスおよびカリキュラムの実施、評価、成果の発表、(3)インストラクショナル・デザイナーと協働し、平成18年度に再デザインし平成19年度に実施した上記大学初年次教育における人間性の涵養を目指した読書課題の再デザイン、実施、評価、そして評価を踏まえた再デザイン、(4)医療系大学準備教育担当者との協働研究、成果の発表、(5)いのちの教育、医療人文学の研究・教育者との協働による、医療系学部初年次生の特性に鑑みたシラバスのデザイン
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