研究概要 |
2007年度前期では、拙論(2004;2005;印刷中)を参考に、今まで学習者がEメールでよく使う動詞に教育目標を絞った。そして、拙論(2007)を参考に、FrameNetを参照して、語が持つ意味フレームの関係を確認し、学習の出発点として、Experiencer_subj(e.g.like,love)に焦点を絞った。そして、BNCから教育的にコンコーダンスを精選し、そのコンコーダンスをブログに載せ、「ブログ形式の収斂型DDL」のタスク環境を構築した。この「ブログ形式収斂型DDL」の環境構築と学習者の例文解釈状況については、6月に中国地区英語教育学会で「ブログ形式収斂型Data-Driven Learningの研究」として発表し論文にまとめた(中国地区英語教育学会研究紀要38号)となっている。 2007年9月には、Symposium on Second Language Writing(於 名古屋学院大学)に参加し、様々なESL writing研究に触れ、その中でDDL研究の位置づけを確認した。また、12月には、「収斂型Data-Driven Learningのトップダウン的な導入法〜FrameNetの利用可能性に焦点をあてて〜」(『三浦省五先生御退官記念論文集 英語教育学研究』)という論文が出版された。そして、2月には、The First Symposium of the International Corpus of Crosslinguistic Interlanguage(於 東京外国語大学)に参加し、学習者コーパス研究の国際的なプロジェクトとその研究方法を学ぶことができた。 最終年度の2008年度では、1年目と2年目の基礎的研究を踏まえ、ブログ形式収斂型DDLの環境を別の学習者の場合で追調査していく予定である。学習者の表現力をDで確認し、n-gram分析で、使用語群の特徴を質的に観察し、さらに、ブログで教室内に公表される学習者の意味認識状況の変化を質的に記述していく予定となっている。
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