研究概要 |
本研究の目的は,学習者が行う英語学習活動を,様々な学習者要因から複合的に影響を受ける有機的なシステムと捉え,日本人英語学習者の英語学習活動に影響を与えている要因やその関係を分析することである。学習要因の中でも,本研究では特に,学習者の学習動機,日本語力,個性,英語力の関係に焦点を当てている。 研究2年目は,研究1年目の成果をもとに本調査に着手した。2年目の研究計画は,大きく分けて次の2点であった。第1点目は,本調査で使用する調査資材の尺度,特に英語力を測定する尺度の最終的な検証を行うことであった。複数のテスト資材を作成し,被験者146名に対して予備調査を行った。その結果をもとに再度,201名の被験者に対して調査を行い,測定尺度の標準化を行った。その結果,信頼性・妥当性の高い英語力測定尺度の構築を行うことができた。標準化の結果は,論文にまとめ『福岡女学院大学短期大学部紀要』において発表した。研究計画の第2点目は,本調査である長期的な追跡調査を開始し,学習者のインタビューデータの収集を行うことであった。学習動機づけ調査,日本語力調査,英語力調査,個性に関する調査を6〜7月に実施し,これらの調査を受けた被験者約200名から,調査結果および被験者の専門分野を考慮し,追跡調査の対象者として15名を選抜した。その後,11月より月1回の頻度で,学習記録に基づいたインタビュー調査を行っている。これまで行ったインタビューの内容は,すべて書き起こし,データベース化を行っている。なお,本インタビュー調査は平成20年度6月まで継続して実施予定である。
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