北大植物園博物館の鳥類標本ラベル情報の撮影とデータベース化に着手し、約25%の作業を終了した。また、過去に利用されていた台帳・カードのデータベース化を終了し、現存標本との照合作業を行った結果、現在利用されている標本情報の一部に検討を要するものが含まれていることを確認した。全データ調査の上で、修正などの報告を行う予定である。 東京国立博物館所蔵の旧開拓使札幌博物場関係史料の調査を実施した。大部分はこれまでに確認していた北海道立文書館所蔵史料と共通のものであったが、1884年から翌年にかけて実施された標本交換についての情報の確認と、関連図書の移管などについて新たに見出した。この結果を現存資料と照合した結果、失われた資料情報を復元することが可能となった。 標本交換の歴史的経緯を把握するための調査として、山階鳥類研究所所蔵標本の調査を行った。研究所におけるデータベース化作業の都合で所蔵標本の90%程度の調査にとどまったが、札幌農学校所属博物館旧蔵標本の所在を確認した。その大部分は山階芳麿との直接の交換ではなく、帝国大学理科大学と標本交換を行ったものが、山階鳥類研究所に寄贈されたものであった。帝国大学理科大学コレクションの一部は学習院大学に移管されていることが判明したため、次年度に調査を実施することとした。 また、研究所での調査の過程で、帝国大学理科大学の標本台帳などの史料が現在も東京大学に所蔵されていることがわかったため、次年度に調査を行うこととした。
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