<国内調査> 科学研究費補助金交付の初年度にあたる平成18年度は、まず、日本国内で基本的な二次文献及び史料収集をでき得る限り進めた一方、さらなる史料の所在を調査・確認し、渡豪のための下調べをした。具体的には所属大学の付属図書館を通しての通常の文献・史料収集、及び、インターネットによる国内外の情報を収集した。また、補助金受入以前の6月10日から10日かけて、慶応義塾大学で開催されたオーストラリア学会の2006年日豪交流記念第17回全国研究大会に参加し、最新の研究動向について調査するとともにぐ国立国会図書館や慶応義塾図書館に出向き、先行研究文献を中心に史料収集を行った。史料収集及び論文執筆を円滑かつ効率的に進めるために、一次史料等で公刊されていないものは、デジタルカメラでの撮影、または、ノートパソコンを持ち込み書き写した。 <海外調査> 上述のような国内での下調べを入念に実施した後、オーストラリアへの第1回海外調査へ向かった。1900年代当時、2000名以上の日本人が年季労働者として滞在していたクイーンズランド州の州都ブリスベンに位置する、オーストラリアでも屈指の大学であるクイーンズランド大学の付属図書館や、州立文書館を中心に、文献・史料収集に着手した。具体的には、できる限り新聞記事や連邦議会議事録など、日本では入手困難な1次史料を中心に収集を行い、新聞記事などはマイクロフィルムからの安価な複写を中心に行った。
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