1.研究成果を5つの論文・書評にまとめ、活字化した。 (1)室町期の北野社(北野天満宮)の祭礼がどのように運営されていたのか、それ以前の運営形態と比較しながら考察し、論文「北野祭と室町幕府」としてまとめ、五味文彦・菊地大樹編『中世寺社の都市・権力』(山川出版社、2007年4月)に掲載された。 (2)上記の北野祭で祭礼費用を負担した、北野社西京神人の存在形態について分析し、論文「神人」としてまとめ、吉田伸之編『シリーズ身分的周縁と近世社会6・寺社をささえる人びと』吉川弘文館、2007年5月、に掲載された。 (3)神社組織において、祭礼費用を負担する神人を統率する位置にあった、公人について考察し、「中世寺社の公人について」という論文を『部落問題研究』181号(2007年6月)に発表した。 (4)北野祭が廃絶した後の北野社周辺の町の様相を、論文「秀吉の京都改造と北野社」としてまとめ、『立命館文学』605号(2008年3月)に発表した。 (5)中世祇園祭研究をリードしている河内将芳氏の著書『中世京都の都市と宗教』(思文閣出版、2006年)の書評を、『史学雑誌』第116編第6号に発表した。 2.室町期の「北野祭」の名残をとどめる現在の「北野ずいきまつり」で巡幸する、農作物でつくられる御神輿「ずいきみこし」の製作過程を、「西ノ京瑞饋神輿保存会」の協力によって調査し、その成果を、報告書「ずいきみこし」としてまとめた。
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