室町期京都の権力構造を明らかにするため、比叡山延暦寺(山門)と、その末社である祇園社(八坂神社)・北野社(北野天満宮)の京都支配の構造、および三寺社と室町幕府との関係、について解明した。その際、寺社と幕府との関係を探る重要な素材として祭礼に注目し、室町期の北野社(北野天満宮)の祭礼について取り上げ、考察をすすめた。具体的には南北朝期における幕府の北野祭の再編と北野社西京神人の存在形態、あるいは神社において「神人」を統率する位置にある、「公人」について検討した。さらに中世の「北野祭」の名残りをとどめる、現在の「瑞饋祭(ずいきまつり)」について調査を行い、成果をまとめた。
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